奈落の底

ここは地獄の一丁目

【感想・レビュー】nano 『unborn child's dream』

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PENICILLINHAKUEI千聖による期間限定ユニット、nanoの最初で最後のアルバム。

 

nanoにちなんで7日間連続リリースされた(頭がおかしい)シングル7曲とそのカップリングに収録されたPENICILLINのセルフカバー7曲に新曲を加えた全15曲という盛り沢山のファーストでラストでベストでマストなアルバムとなっております。

 

メンバーがヴォーカルとギターのみのためか打ち込み主体のデジタルでサイバーな音楽性ではあるものの、全編に亘って千聖のギターが前面に出ており、この手の音楽にありがちな音の軽さや安っぽさはほとんど感じられません。

 

PENICILLINとは違った音楽性ながらPENICILLINとして聴いてもそこまでの違和感はなく、誤解を恐れずに言ってしまえば、"PENICILLINらしさ"を構成している最小要素はHAKUEIのヴォーカルと千聖のギターなんだなという事が分かるのも面白いですね。

(当初のユニット名であるPENICILLIN nanoからもそれが伺い知れるような気がします。)

 

セルフカバーについては、特に初期の曲はnanoの音楽性に合わせて大きくアレンジされているので賛否両論かもしれません。

「God of grind」なんかはもう完全に別物になっちゃっていますが、個人的には実はこっちの方が原曲より好きだったりします。

 

nanoのオリジナル曲についても個人的に好みの曲が多く、これらがもう日の目を見ないというのはあまりに勿体ないので、PENICILLINに逆輸入するのもアリなんじゃないかと秘かに期待しています。

 

お気に入り度:★★★★★★★★★★
お気に入り曲:「God of grind」「シンデレラ」「ガラクタのマリア」「shine」